2020/11/15
進歩?変化?

こんにちは、上野毛みやび整骨院です。
最近の衛生に対する意識の高まりや健康増進ブームもあり、
一般の方でも様々な健康法や知識に目を向けている方が増えてきているのではないかと思います。
その中で、常識とされていたのに新しい説が出てきた事柄や、
逆に昔から言われてきたことが見直された事柄など、
状況が目まぐるしく変化していて大変な思いをしているかもしれません。

さて、今回はそのあたりを鍼灸のことに絡めて軽くお話ししたいと思います。
きっかけはまた別なのですが、鍼灸の世界にも少しずつ状況の変化が訪れてきています。
一般的な鍼灸治療に使われている経穴(≒ツボ)の一部は、
昭和から平成の半ばあたりまでと今では、位置が少し移動したり、
また名前が変わっていたりすることをご存じでしょうか?

有名どころでは合谷(ごうこく)という経穴があります。
元々は親指の骨と人差し指の骨がぶつかったところの甲側にありました。
今では人差し指の骨の中で手のひらを構成する部分(中手骨と言います)の
半分くらいのところ、親指側にあります。
ご存じの方も多いとは思うのですが、手のひらの指先側半分くらいは、
指の骨で構成されていたりします。

図を見ていただければ分かるのですが、同じ経穴とは言い難いくらい移動しています。
合谷自体は歯の痛みなど特に顔面に関わる不調や、
腕や肩の不調などに効果を期待しやすいと言われています。
押しやすいですし、押している感が強い経穴の一つだと思いますので、
気が向いたらご自分でも強過ぎない程度に刺激してみてください。

似たような話としては労宮(ろうきゅう)という経穴があります。
こちらは手のひら側で中指と薬指を曲げた指先の間にあるという説と、
人差し指と中指を曲げた指先の間にある説と両方あるようで、
先ほどの合谷とは違って別説扱いになっているようです。

労宮自体は手の疲れや眠気覚まし、心のリラックスなどに
効果を期待しやすいと言われています。
反対側の手の親指でやわやわと押してみてください。

また日本の中だけかもしれませんが、同じ経穴の名前の移り変わりとして
上関(じょうかん)と客主人(きゃくしゅじん)があります。
元々は客主人と呼ぶのが主流だったらしいのですが、
最近では上関と呼ばれることも増えてきています。
今の学生は上関として習い、客主人は別名として知ることが多いかと思います。
鍼灸師の間では言われ尽くされていることかとは思いますが、
上関と同じ読みの上脘があったりして、現場では混乱することもありそうですね。
上関・客主人は頬付近、目の外側から耳へ走る出っ張り(頬骨弓と言います)の
上側中央付近にあり、目の疲れや顎関節症、顔の引き締めなどに
効果が期待できると言われています。

今回はこの辺にしておこうと思いますが、他にもこういったものは沢山あります。
また先ほどの合谷の話にも関連するのですが、古いものが間違いだというわけではありません。
今でも昔ながらの合谷を使って成果を挙げられている先生も沢山いらっしゃいます。
お灸でも名前は同じなのに流派によって位置が違ったり、流派特有の経穴があったりします。
大事なのは情報を集め、知識を蓄え、現状一番自信を持てる選択をすることだと思います。

当院では、状況や考え方の変化に対応するために、また過去に学んで今に活かすために、
日々情報の収集や精査、そして実践のための環境づくりに勤しんでいます。
そしてそれらを患者様の状態や希望に合わせて適切に提案、実行していきます。
皆様のご相談・ご来院を従業員一同、心よりお待ちしております。